形成外科専門医が解説 – 乳頭縮小術の術後経過(腫れ・痛み・ダウンタイム・抜糸・性交渉など)

乳頭縮小術を受けた後、どんな経過になるこか気になることがあると思います。
または、これから乳頭縮小術を受けようかどうしようかというときも先の見通しがたつとよいですね。
ここでは乳頭縮小術後の経過についてお伝えしていきます。
乳頭縮小術は手術の方法(縫合方法など)や抜糸のタイミングなどが医師によって様々ですが、ここでは当院の方法での一般的な経過として参考にしてみてください。

術後経過

≪術前≫

≪手術直後≫

乳頭縮小術直後は乳頭に細い糸がついています。
麻酔の影響で乳輪付近が収縮し、むくんでいますが大きな腫れには見えません。

≪手術当日帰宅時≫
手術が終わるとガーゼを乳頭部分にのせます。
このガーゼは乳頭部分からわずかににじんでくる出血を吸い取るためのガーゼです。
ガーゼの厚みが1cm弱くらいあるので、タイトな下着ではなくワイヤーなしのカップつきタンクトップなどを着用するとよいでしょう。
(そのため、持っていない方はあらかじめ手術前に用意しておくことをお勧めします。)
乳頭縮小術は大きな手術ではないため日帰りでスムーズに帰宅できます。
手術当日の夜は乳頭が少しズキズキします。痛み止めをこのとき飲む方と飲むほどでもないかなという方がいらっしゃいます。
寝るときもゆったり目の衣類で寝るとよいですよ。
うつぶせ寝は避けましょう。

≪翌日≫

手術をして24時間後くらいにガーゼを外してもらいます。
翌日から患部を含めたシャワーが可能になります。
(※ただしこれは当院の手術方法の場合に限ります。)
例えば、朝に手術を受けた場合は手術の翌日朝のシャワー時にはずして大丈夫です。
午後に手術を受けた場合には翌日の夜のシャワー時にはずして大丈夫です。
だいたい翌日までは乳頭がズキズキします。
翌日は痛み止めを飲まない方も多くいます。痛みが気になれば内服しても問題ありません。
乳輪付近がぷっくりと膨らむくらいの腫れが出ます。
乳頭が通常よりも赤く見えることが多いです。
当然ながら術前よりは小さな乳頭になっていますが、腫れがあるため手術翌日の乳頭の大きさよりも最終的にはもっと小さくなります。
手術翌日はまだ若干血液がにじむことがありますので、その場合はガーゼを挟んでおくと下着を汚さなくてすみます。

≪術後2日目≫
手術翌日にガーゼをはずすことが怖かった方は術後2日目にはずしても問題ありません。
術後2日目は多くの方は手術翌日より痛みは軽くなり、自然には痛みは気にならないことが多いです。
術後2日まで痛み止めを飲む必要がある方はさらに減ってきます。
手術後の出血はほとんどなくなりますが、場合によってはまだ少しにじむことがあります。
気になるようであればひきつづき軽くガーゼをあてておくとよいでしょう。
乳輪・乳頭の腫れはまだありますが、日常生活に支障がでるような腫れは通常ありません。
場合によって、内出血の色が乳頭や乳輪の周囲にふんわりでることがあります。
内出血自体は出ても問題ありません。

≪術後3日目以降≫

術後3日目以降は痛みは更に減り、押さなければ痛くないという方がほとんどです。
乳輪の腫れ感がひいてくる時期となります。(この頃にはほとんど腫れに見えない方もいます。)
特に変わりなく生活できます。

≪術後5日目≫

≪術後1週間≫

ほとんどの腫れ感は術後1週間程度でなくなります。
内出血の色は場合によっては乳輪付近に黄緑色などがうっすら残っていることもあります。

≪術後1~2週間≫

だいたいこの時期に抜糸を行います。
抜糸直後は糸の跡が少しついているため縫合部分がカタカタしていますが、徐々になだらかになってきます。
乳頭近くの乳輪はまだ若干硬さがあります。

≪術後1ヶ月≫

傷跡が馴染んできます。
手術後の痛みはほぼありません。(チクチクなどの微妙な感覚は人によって出るかも知れません。)
乳頭の腫れによる膨らみ感はひき、乳輪・乳頭はほとんど完成の状態になりますが、乳輪の硬さがある場合はさらに柔らかくなることが予想されます。

≪術後3~6ヶ月≫
乳頭のわずかな浮腫みもなくなり完成となります。

こちらの方の症例紹介は下の記事で見れます。

術前に準備しておくとよいこと

・手術当日は術前にシャワーを浴びておく
・ワイヤーなしのカップつきタンクトップを用意しておく

ダウンタイム

いわゆる腫れや内出血、痛みなどのダウンタイムについてお伝えしていきます。

腫れ

乳頭縮小術の腫れは最も大きな腫れであっても乳輪付近の膨らみにとどまることがほとんどです。
ですので顔の手術とは違い、乳頭縮小術の腫れによって生活が制限されることは通常ありません。
腫れのピークは術後2日くらいまでで、術後3~4日目くらいからは緩やかにひいていくことがほとんどです。

内出血

内出血の色が人によってでることがあります。
出た場合には乳輪および乳輪の周りに出ます。
腫れと内出血の出方は関係がありませんが、乳輪の処理を行った場合には若干出やすい傾向があります。
また、内出血が出た場合には術後1週間から2週間くらいでひきます。

術後に出血、大丈夫ですか?

乳頭縮小術後にうっすら出血することがあります。ほとんどは翌日にはとまりますが、場合によっ2~3日出ることも想定されます。(ほとんどありません。)
でも、慌てなくて大丈夫です。この出血は必ずとまりますので、そっとしておいてください。かるくガーゼをあてがうくらいで十分です。
乳頭縮小術は乳頭の血行を意識した手術を行っているため、あえてガチガチに止血作業を行わないことがあります。
それは必ず出血がとまることを知っているからです。当院の場合は術後の良い経過を出すためにあえてそのようにしていることもあります。

痛み

乳頭縮小術の術後の痛みは様々な形成手術と比較して痛みが大きくない手術と言えます。
乳頭のみの処理で終わった場合はおおむね最初にお伝えした術後経過で済むことが多いですが、乳輪の処置が必要であった場合にはプラス2日程度の痛みの経過があります。
また、左は1日しか痛くなかったけど右は5日間くらい痛かったなど左右差が出ることもまれにあります。
当院の場合は手術翌日からシャワーを浴びていただいていますが、シャワーが痛くて浴びれないなどはまずありません。
痛み止めも手術翌日くらいまでしか飲まない方が多い印象です。

日常生活について


当院の場合は手術翌日に胸のガーゼを外したあとは特に何もつけることなく過ごしていただきます。
食事や掃除など日常生活に特に制限はありません。

仕事は出来る?

乳頭縮小術は日常生活の制限はほとんどないため通常は翌日から仕事が可能です。
手術当日でもとくにデスクワークなどは問題ありません。
が、さすがにみなさん手術当日はお仕事はお休みされます。
肉体労働やスポーツのインストラクターなどは術後翌日から1週間はあまり胸を圧迫されない程度の作業までとなります。

シャワー浴・浴槽への入浴

術後のシャワー浴は翌日から可能ですが、浴槽への入浴は術後1週間からを推奨しています。
手術間もない頃に温まると出血が長引く可能性があります。
当日は術後にシャワーを浴びることができませんので、できれば当日の朝にシャワーを浴びておくことをお勧めします。

スポーツ・水泳はいつからできる?

軽い運動は手術翌日から可能です。
ウォーキング程度は翌日から可能ですが、出血がまだ続いているようであれば術後2日目以降からの方が無難です。
水泳は術後1週間後から可能です。
柔道など体を使う激しくぶつかり合うような運動は1ヶ月程度やめておいた方がいいです。
塞がっている傷が開いてしまう可能性がゼロではありませんので。

抜糸の時期

乳頭縮小術は基本的に抜糸が必要な手術です。
実は抜糸をしなくてもよい手術方法もありますが、一般的には抜糸を行います。
抜糸は通常1~2週間で行います。
それまでは乳頭に糸がついた状態で生活をすることになりますが、それほど目立ちません。
また、術後2週間くらいになってくると糸がいくつか自然脱落することもありますが、これも特に問題ありません。

性交渉はいつから大丈夫?

傷の治りの目線から

性交渉は術後1ヶ月以降を推奨しています。
以前に、風俗産業で働かれている女性の乳頭縮小術を行わせていただきましたが、術後3週間で仕事に復帰されて特に問題なかったという方がいらっしゃいました。
縫合した皮膚がしっかりと強くなるためには術後1ヶ月程度必要かと思います。

旦那・彼氏にばれる、ばれないの目線から

抜糸前は確実にばれます!
抜糸直後は傷痕が少しカタカタしていることがあります。
抜糸後1週間以降でカタカタが和らいできます。
術後1ヶ月くらいするとかなり自然な傷になっています。
それでも随分と大きかった乳頭がかなり小さくなっていると傷跡うんぬんに関わらずばれるかもしれません。(自己責任で。)

性交渉のタイミング まとめ

なんだかんだで術後1ヶ月以降が無難です。

温泉旅行はいつから行ける?


乳頭縮小術をお受けになる方の中には温泉旅行に行きたくて、でも乳頭が気になるから受けるという方もいます。
そのような方はいつから温泉に行って大丈夫かなと思われると思います。
基本的に湯船につからなければ出血さえ止まっていればいつからでも大丈夫です。(やや無理をすればですが)
出血がとまるのは大体手術後2日目くらいだと思いますので、そのくらいからは大丈夫であることが多いですが、さすがに手術2日目で旅行に行こうという気にはなかなかならないと思います。
安心して湯船につかれる旅行にするためには術後1週間はあけた方がよいでしょう。
ただし、術後1週間は抜糸前であることがありますので、お勧めは抜糸後です。
抜糸後くらいのタイミングであれば様々な湯船に浸かって大丈夫です。

患者様の手記からみる術後経過

ダウンタイムに関することを書いてくださいました患者様の感想を載せておきます。
ただし、痛みの感じ方は人それぞれですので参考程度にしてください。
実際抜糸の時に伺うと片側だけ数日痛かったなどと聞くこともあります。

それほどダウンタイムで困らなかった方

こちらの方は乳頭を丸くした方ですが、手術当日のみ痛み止めを飲まれたようですね。

予想より痛みが少なかった方

こちらの方は乳頭のみならず乳輪も形成術を行っていますので痛みが相応出ると予想されましたがご本人様としてはほとんど痛くなかったようです。

乳頭縮小術の術後経過のまとめ

いかがだったでしょうか。
乳頭縮小術をいざ検討するとその後の経過も視野に入れて治療を受けるタイミングを考えなければいけませんね。
今回の記事を参考にされてみてください。

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