乳頭縮小術のご説明をしているときに「麻酔はどんな感じですか」とよく聞かれますのでここでお伝えします。
多くの方が経験している麻酔は歯医者さんで受ける麻酔だと思います。
歯医者さんでは注射による麻酔を行いますがそれと同じように乳頭縮小術でも注射による麻酔をおこないます。
そのほか併せて使うことがある麻酔についてもお伝えしていきます。
乳頭縮小術のときに行う麻酔方法
乳頭縮小術の麻酔方法には局所麻酔、笑気麻酔、静脈麻酔などがあります。
そのほか、豊胸手術と同時に行う場合には全身麻酔のもとに行うこともあります。
当院で行う麻酔方法は主に局所麻酔と静脈麻酔(鎮静麻酔)です。
局所麻酔(浸潤麻酔)=乳首への注射
局所麻酔によって痛みを取り除きます。
局所麻酔はごく細い針を使用して主に乳頭の付け根の部分にゆっくり行います。
乳頭縮小術は局所麻酔のみでも施術が可能です。
局所麻酔が効いてしまえば治療は無痛で行うことができます。
ただし、押されたり引っ張られたりする感覚は多少残ります。
麻酔をすると麻酔で乳頭が膨らむことと、乳輪が収縮しつつ膨らみますので局所麻酔を行う前に手術のデザインを行っておく必要があります。
静脈麻酔(鎮静麻酔)=点滴
点滴による麻酔を局所麻酔と併用することがあります。
これは主に不安感を取り除き、リラックスして施術を受けれるようにするためです。
乳頭縮小術は大きな手術ではありませんが、いざ自分の体にメスが入ることを想像すると緊張や不安感が多かれ少なかれ出てくるものです。
手術を受けるときの気持ちは本当にその人の立場になってみないとわからないものです。
麻薬を使用すると痛みも取り除ける点滴麻酔薬もありますが、当院では使用していません。
鎮静目的の静脈麻酔で施術を十分に楽に受けれるようになるからです。
点滴による鎮静は局所麻酔より先に行います。
そうすることでより苦痛を小さく局所麻酔、手術を終えることができます。
吸入麻酔(笑気麻酔)=マスク麻酔
鼻から吸入麻酔薬(主に笑気)を吸入してボーっとなった状態にします。
そこで局所麻酔を行うと局所麻酔の注射の苦痛がやわらぎます。
ときどき気持ち悪くなる人がいることが欠点です。
地球の環境の観点から最近はあまり笑気が使われなくなってきました。
point
手術前のデザインは麻酔を行う前に行います。
一緒に確認してもらうこともできます。
麻酔の副作用
局所麻酔、静脈麻酔、笑気麻酔のまれに起こりえる副作用についてご紹介させていただきます。
本当はもっとたくさんありますが、ピックアップします。
局所麻酔の副作用
アレルギー反応、アナフィラキシーショック:アレルギーが起きてしまうことがあり得ます。
局所麻酔中毒:多量の注入を行うと起きる可能性があります。乳頭縮小術での必要量ではまずありません。
静脈麻酔の副作用
リラックスできるようにするための静脈麻酔は鎮静目的の静脈麻酔です。
なんとなく酔っ払ったような眠たいような感じになります。
麻酔が深くなると呼吸を少ししかしなくなることがあります。(医学的には呼吸抑制といいます。)
ですので微調整を行います。
笑気麻酔の副作用
体の中の閉じ込められた空間の圧力が高まります。ですので気胸の素因を持っている方には使えません。
吸入後に気持ち悪くなることがあります。
乳頭縮小術の麻酔に関するよくある質問
麻酔は痛いですか?
注射による局所麻酔はチクっとしますので数秒間の痛みがあります。
点滴による静脈鎮静麻酔を併用しているとその苦痛が和らぎます。
なんとか乗り越えましょう。
今のところ乗り越えれない人は見たことがありません。
手術が終わったらすぐに帰れますか?
手術終了後は基本的にすぐに帰れます。
点滴による鎮静麻酔を行っている場合でも手術の後半は徐々に浅くなり手術が終了するころには切れるように調整をしています。
逆に言うと当院の場合は点滴麻酔を行う場合であってもそれほど深い麻酔にはしないようにしています。
麻酔が切れると乳首は痛みますか?
局所麻酔の作用が切れると徐々に乳頭に痛みが出てきます。
局所麻酔が切れるのは手術後1~3時間後くらいです。
当日と翌日はズキズキした痛みがでます。
内服薬による痛み止めで過ごせるくらいの痛みです。
点滴による静脈麻酔は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
局所麻酔だけでも手術を行うことは可能です。
リラックスをして乳頭縮小術を受けたい、できるだけ苦痛を少なく受けたいという場合には併用するとよいでしょう。
どこで受けても麻酔は同じですか?
医療機関によって麻酔方法の選択肢には違いがあります。
局所麻酔だけで行うこともあれば、笑気麻酔(マスクによる麻酔)を併用することもあります。
当院では局所麻酔または静脈麻酔の併用で行うことがほとんどです。
食事はいつまでに済ませておくのがよいですか?
局所麻酔のみで行う場合には特に食事のタイミングを気にすることはありません。
点滴による静脈鎮静麻酔を併用する場合には手術開始2時間前までには食事を終えていただいています。
食事はいつから可能ですか?
食事は手術後すぐに食べることが可能です。
特に制限はありません。
乳頭縮小術の麻酔に関するまとめ
いかがだったでしょうか。
乳頭縮小術の麻酔に関して簡単にまとめてみました。
局所麻酔は必ず必要です。
点滴麻酔は併用すると手術をいくぶん楽に受けることができます。
参考にされてみてください。
医師 石川勝也
2003年 防衛医科大学校卒業
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医