「乳頭縮小術は保険がききますか?」
という質問をときどき受けます。
ここでは乳頭縮小術の保険適用についてお伝えします。
が、先に結論を書いておきますと
「乳頭縮小術で保険は適用されません。」
保険がきくとは?
保険が適用される医療とはすなわち保険診療による医療行為のことを言います。
保険診療は国が定めて国民全員が入っている医療保険によって行われます。
保険診療を行う医療機関は国へ申請を行って保険診療を行ってよいという許可を受けています。
保険が適用される医療の場合、7割が保険でまかなわれ、3割をご自身で支払うようになります。
保険の本来の意味合いは、助け合いの仕組みとなります。
乳頭の治療で保険が適用される施術は?
現在の保険診療の施術費用は診療報酬点数というもので定められています。
例えば、乳頭に関して保険が適用されるものには陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)の治療があります。
診療報酬点数では、陥没乳頭形成術7,350点(73,500円)と定められています。
その他に乳頭の施術で保険適用となる治療は再建乳房乳頭形成術のみとなります。
≪再建乳頭乳頭形成術とは≫
乳癌などで乳房を切除した場合に、乳房を作る手術を行うことがあります。
さらに乳房を形成したあとに乳輪・乳頭を作ることがあります。
その手術を再建乳頭乳頭形成術と言います。詳細はここでは割愛します。
乳頭縮小術では保険が適用されない
上の二つの乳頭形成術に対しても但し書きとして、「単なる美容を目的とするものは保険給付の対象とならない。」と定められています。
ですので、そもそも診療報酬点数が定められていない乳頭縮小術では保険が適用となることはありません。
あくまでも保険が適用される治療というのは国民全員が助け合ってでも負担をしてあげた方がよい医療行為というものになります。
乳頭が大きすぎて授乳が出来なかった場合も保険適用はできないか
乳頭が大きすぎて乳児がうまく吸引できずに授乳を断念しましたという方がときどきいらっしゃいます。
意味合い的には整容的なことよりも機能的な問題で乳頭を小さくしたいと考えることもあり得ます。
しかしながら現在の保険診療では乳頭が大きすぎることに対する保険が適用されていないのが現状です。
参考までに乳頭が大きすぎて授乳が出来なかった方の症例を紹介します。
下記の方は見た目が治療のきっかけでしたので整容的な改善を重視して治療を行った方です。
保険がきかない乳頭縮小術の費用は?
乳頭縮小術に保険が適用されないとなると自費診療として治療を受ける必要があります。
自費診療の場合、医療機関ごとに費用の設定が異なります。
また、手術デザインや手術方法などによっても費用が変わることもあります。
費用の目安について気になる方は次の記事を参考にされてください。
乳頭縮小術の保険適用に関するまとめ
乳頭縮小術では保険適用にはなりません。
乳頭の手術で保険が適用になるのは陥没乳頭と乳房再建後の乳頭形成術のみになります。
医師 石川勝也
2003年 防衛医科大学校卒業
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医