子育てをされている親御様でお子様がもし肥満傾向であれば知っておいて損ではないことをお伝えします。
日々診療をしていますと、女性のように胸が大きいことが気になりますという男性からのご相談を多々受けるのですが、その原因として最も多いのは、子供のころに太っていたというものです。
大人になって太って痩せてを繰り返している方も多いのですが、どちらかというと小学生から中学生くらいの時に太っていたという方が多いです。
成長期に重なって、肥満傾向であると、大人になって痩せた時に乳輪付近の膨らみが目立ってしまいます。
ほんの一時期だけであればおそらくそれほど影響はありませんが、小学校時代ほぼすべて、あるいは中学生時代ほぼすべてなどのスパンで肥満体形であった方が多い印象です。
乳輪付近のふくらみは筋トレをしようとも、ダイエットをしようとも残ることが多く、結局胸が出ている状態には変わりないという状態になります。
もちろん、見た目のお話なので、男性で胸が出ていることは何も悪いことではないです。
しかしながら、本人が気にしたときにそれを改善する手段は手術以外に方法がないというのも事実です。
辛辣な言い方をしますと成人であれば完全に自己責任ですが、小学生の体形はほぼ親の責任です。
子供の将来が少しでも良くなってほしいということで、勉強を頑張らせる、厳しくしつけをするなど色々とあると思いますが、将来本人が気になるかもしれない可能性として、「肥満は将来胸が大きく見えるかもしれない」ということを頭の片隅に置いておくとよいと思います。
当院ではそれらを改善する手術(女性化乳房症手術)をたくさん行っている関係で、たくさんの人が困ってご相談に来られます。
特に夏場に多く来られます。
また、ご本人はご家族など誰にも相談せずに来られます。
知らないよりは、知っておいて損をしないと思います。
本来、女性化乳房症とは乳腺組織が女性のように発達して胸が大きくなることを指しますが、肥満に伴う女性化乳房症の場合は脂肪のつき方がメインであることが多いです。
乳腺も同時に発達していることもあります。
スタイルが良くなりたいなどの願望がない男性(いわゆる普通の男性)でも、胸の大きさにだけは悩んでしまうという現状を毎日目の当たりにします。
これは太ったから脂肪吸引で痩せたいなどという発想ではなく、どうやってもなくならない胸をなんとかしたいという切実な思いです。
この話を読むと親御さんの中には「そんなくだらないこと気にするな!人は中身が大切!」と思われるかもしれませんが、実際本人が悩む可能性はあります。
決して過度に体形を気にすることはお勧めしませんが、親次第で防げる可能性がありますので頭の片隅においおいてください。
一人でも親御様の参考になれば幸いです。
【参考】
女性化乳房症の治療について
医師 石川勝也
2003年 防衛医科大学校卒業
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医