ここではプラストクリニックでよく行われている乳頭縮小術、乳頭形成術についてお伝えしていきます。
当院の乳頭縮小術といっても手術の方法ではなく、どのような背景で乳頭縮小術を実際に行っているか、方針などについて女性向けにお伝えします。
当院では乳頭縮小術を頻繁に行っています。
ご相談に来られる方々は本当に様々な考えや気持ちをもってご相談に来られます。
とても深刻そうな方もいればファッション的な発想でご相談に来られる方など、男女問わず年齢も実に様々です。
かなり小さな乳頭を希望されることが多い
乳頭縮小術を実際に行う場合にはどの程度の大きさにしたいかということをお互いの話し合いの中で決めていくようにしています。
他院様で一度乳頭縮小術をお受けになられた方も多くご相談に来られることもあり、全般的にかなり小さな乳頭を希望されることが多いです。
乳頭縮小術は一回り小さくするだけではあまり変化を感じづらいということもあって変化のわかりやすさを求める方が多い傾向にあります。
例えば次の方はお団子状の乳頭に対して乳頭縮小術を行っています。
≪術前≫
≪術後1ヶ月≫
≪術前≫
≪術後1ヶ月≫
かなり小さくしていますが、バランスはとても綺麗に見えます。
「綺麗に見えます」と断言していますが、綺麗かどうかは実際にはそれぞれがどう感じるかということになります。
なぜこの症例をお見せしたかというと、このくらいの大きさを好まれる方が非常に多いからです。
実際に写真で見比べていただくとわかりますが、体積はおそらく術前と比べると5分の1以下になっていると思われます。
つまり、乳頭縮小術は大きな変化を期待されることが多い手術であるといえます。
もともとかなり小さい乳頭であるにもかかわらずさらに小さくしたいという方も少なからずいらっしゃいます。
例えば下の方は一度乳頭縮小術を他院様でお受けになられていますが、さらに小さくしたいというご依頼でした。
≪術前≫
≪術後6日目≫
≪術前≫
≪術後6日目≫
≪術前≫
≪術後6日目≫
ですのでできるだけその方のお考えや感性を取り入れて手術のときにデザインを行うようにします。
よく、他院様でそんな小さな乳頭は無理と断られたというご相談もあります。
ある一つのデザイン方法では無理だけれども根本的にデザインの仕方を変えると可能ということもあります。
結果には幅がある
対象としているものが様々な形をした乳頭という体の一部であるという特性上、完全にぴたりと一致するものを作ることはなかなか難しいのも事実です。
例えば、下の二つの症例【例1】【例2】は同じデザインでしっかり小さくする大きさを目指した例になります。
どちらともかなり小さい乳頭を形成していますが、【例1】【例2】の術後の状態を比べると差があります。
【例1】
≪術前≫
≪術後3ヶ月≫
≪術前≫
≪術後3ヶ月≫
≪術前≫
≪術後3ヶ月≫
【例2】
≪術前≫
≪術後1ヶ月≫
≪術前≫
≪術後1ヶ月≫
≪術前≫
≪術後1ヶ月≫
あえて差のある乳頭をご紹介しましたが、このようにどのような乳頭でも全く同じ大きさのものが作れるわけではありません。
乳輪の状態や乳頭先端部分の形、授乳の可能性など様々な要因があります。
あらゆる知識や技術を駆使してできるだけ意向に近づけるように手術をおこなっておりますが、結果には個人差があります。
授乳の可能性について
女性の場合は今後授乳をする予定がある方、ない方ともにいらっしゃいます。
乳頭縮小術を受ける方のきっかけもさまざまであり、「パートナーができてからでは遅いのです」という方もいらっしゃいます。
授乳の可能性をはっきり持っている方、可能性がないとわかっている方などさまざまです。
それでも多くの方はかなり小さい乳頭を希望される傾向にあります。
乳管について
乳頭縮小術は乳管温存法で行うことが多いですが、たとえ乳管温存法で手術を行ったとしても何本かある乳管のすべてが無傷というわけではありません。
乳管が入っている乳頭の真ん中付近を柱と見立てて残し、乳頭を小さくすることが基本になりますが、元々の大きさが11mm程度の方と17mm程度の方がデザイン上10mmにする場合には当然17mmのほうが乳管の一部が傷つく可能性は増えます。
乳管が入っている柱がそもそも10mmより大きいからです。(この柱は実際には柱として見えるわけではありません。柱としてとらえて手術をするというイメージです。)
10mmにするにはどうしても乳管の一部に傷がついてしまう可能性があります。
理屈上、乳管を残すことを乳管温存法といいますが、希望をする大きさによっては乳管の一部に傷がつくことがあるという認識は大切です。
また、手術に関係なく「母乳の出が悪い」方は術後に通りの悪い乳管が残る可能性も否定できません。少なくとも乳頭縮小術を受けることによって母乳の出が悪くなる可能性はあっても良くなることはありません。
(手術に関係なく母乳の出が悪い方は乳腺炎という炎症が起きることがあります。)
大きさについて
小さな乳頭を希望する場合、もう一つ考えておく必要があります。
実際に乳管を温存して、乳管の通りもスムースであったとしても乳頭が小さいと乳児が母乳を吸える形であるかどうはわからないということです。
その場合には搾乳などによる対応が必要になることが考えられます。
当院では授乳の可能性がある方には以上のことをお伝えしています。
そのような理解のもと手術の希望がある方のみ手術をさせていただいております。
ご理解されていない場合には手術をお引き受けしておりません。
あるいは、長さを少しだけ短くし、一回り小さくするような乳頭縮小術をご提案しております。
できるだけ傷の少ない手術方法を行っています
当院の基本的な考え方として切らなくて済む場所はできるだけ切らないようにするというスタンスをとっています。
傷跡を少しでも少なくしたいからです。
乳頭付近のぶつぶつ(モントゴメリー腺)の切除も希望があれば乳頭縮小時にアドバイスをしています。
とってよさそうなもの、あまりお勧めしないものなどあります。
自然に逆らう手術です
今更あらためて言うことでもありませんが、乳頭縮小術は自然の体にメスを入れて体の形を変える手術です。
気にならなければ受ける必要がない手術です。
しかしながら体のコンプレックスというものは本人当事者にならないとその本当の気持ちはわからないものです。
他人に相談しても「気にすることないよ」と言われることが普通でしょう。(中には主人に勧められましたという方もいらっしゃいますが・・・)
敢えてその自然に逆らって行う治療であることは間違いありませんので特に授乳を積極的にお考えの方は相応の認識をもって臨む必要があります。
一方、授乳を終えた方や予定のない方は機能的にはほとんど気にする必要はありません。
まとめ
乳頭縮小術は美容外科の手術の中ではとても満足度の高い手術です。
手術自体はとても細かく繊細です。
もともと絵に描いたようなきれいな乳頭の方を手術するわけではありません。
でこぼこであったり、根本と先端で大きさが全然違ったり、長かったり。
いろいろな制限の中でなんとか満足度を高めるように日々手術を行っています。
医師 石川勝也
2003年 防衛医科大学校卒業
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医