乳頭の大きさが気になって乳頭縮小術を受けたとして、
「一度受けるともう元にはもどらないの?」
という疑問がわくかもしれません。
乳頭縮小術は乳頭の一部を切除したり入れ替えたりする手術になりますので基本的にはもとに戻る治療ではありません。
ところが、クリニックに再発?と思われる問い合わせをいただくことがあります。
「3年前に息子が乳頭縮小術を受けたのですが、またもとに戻ったようでもう一回手術は出来ますか?」
という電話の問い合わせを10代の息子さんのお父さんからいただいたことがあります。
特に、男性はそのようなエピソードを複数うかがいました。
ここではもとに戻らないはずの乳頭縮小術がまた戻ってしまう状況について考えてみます。
乳頭縮小術を受けてもまた大きくなる原因
せっかく乳頭縮小手術をしたにもかかわらず戻ってしまう可能性があるのは以下のような状況です。
授乳をする
授乳後の乳頭が大きくなった!というご相談はとても多いです。
ですので一度乳頭縮小術を受けてもそのあとまた妊娠、出産、授乳を行うと乳頭は大きくなり、下に垂れ下がってしまします。
アトピー性皮膚炎で掻いてしまう
アトピー性皮膚炎で乳頭を掻く癖があると男女問わず乳頭は大きくなってしまいます。
手術を受けて一度小さくなってもまた搔き続けるとやはり大きくなってしまいます。
男性の乳頭手術後
男性はどういうわけか乳頭手縮小術後に多少大きくなることがあります。
明かな原因はわかりませんが、ときどきそのような現象を見ます。
手術方法でできるだけの予防が可能です。
加齢に伴う乳頭肥大
加齢に伴って乳頭が大きくなるあるいは垂れてくることがあります。
明らかにどんどん大きくなるというほどではありません。
対策、気をつけること
乳頭の大きさは一度大きくなってしまうと自分で何とか小さくするということはできません。
つまり大きくなってしまった場合の対処方法がありません。
ですので大きくならないように気をつけることに意識をむけると良いでしょう。
手術を受けるタイミングを考える
特に妊娠、出産、授乳という可能性がある場合にはできれば授乳後に治療を検討した方がよいです。
掻かない
アトピー性皮膚炎やその他の理由で体がかゆくなることが人によってはありますが、習慣的に掻く癖は無くしましょう。
残念ながら食事を改善したり、規則正しく生活するなどは乳頭の大きさとは関係ありません。
生活習慣としては乳頭の擦れが起こらない生活を心がける程度と考えてよいでしょう。
過度に神経質になる意味はあまりありません。
大きくなったように感じる?
実際には大きくなったわけではないけれど大きくなったように感じることがありえます。
手術間もない頃は乳頭とその近くの乳輪が弱冠硬くなります。
人によりますが、傷が癒えて乳輪付近が柔らかくなる過程で乳頭の形もしんなりしてきます。
手術直後とたとえば3ヶ月後を比べると多少違うように見えることがあります。
人によっては手術直後とくらべて逆に小さく見える(感じる)こともあります。
人の感覚とは不思議なものです。ある意味いい加減です。
実際のところどれくらいの人がまた大きくなるの?
再発率といえばおおげさですが、実際に乳頭縮小術を受けて再び大きくなる確率というのは、、、正直わかりません。
手術後普通に生活をしていてまた大きくなってくる可能性はほとんどないと考えておいてよいです。
手術をしてまた大きくなってきましたと言われることは100人に一人程度かと思います。
手術の方法としてどれくらいの大きさにしておくとよい?
また大きくなってしまうのであればあらかじめ乳頭をかなり小さくしておく方がよいのでは、という考えもあります。
かなり小さくしておくと通常小さいままです。
かといってそれほど小さくしたくないにもかかわらず予防的に無理に小さくしておくというのはお勧めできません。
一度小さくした乳頭を大きくすることは極めて難しいからです。
手術しても無駄なことってありますか?
乳頭縮小術は基本的には変化がはっきりとわかる治療で、いわゆる再発はほとんどないものなのでほとんどの人は満足度が高く無駄ということはまずありません。
(宣伝ではありませんよ、念のために)
また大きくなったとして再手術はできる?
もし、また乳頭が大きくなった場合は再手術を行うことは可能です。
ただし、あくまでも医学的に安全に行える範囲のことしかできません。
二度目の手術なので慎重に検討してもよいですね。
まとめ
乳頭縮小術は基本的には一回手術をすれば効果が永続的に続くものです。
ただし頻度は低いですが例外的に大きくなることがあります。
知っておくと安心ですね。
医師 石川勝也
2003年 防衛医科大学校卒業
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医